つきのBLゲーム感想置き場

昔のBLゲームが好きなオタクによる感想・レビュー、初見プレイ時の感想ログなど。

【BLゲーム紹介】カフェ・リンドバーグ ぼくらの恋愛心理学2【レビュー】

ボブゲ紹介記事、今回は「カフェ・リンドバーグ ぼくらの恋愛心理学2」です。

ブランドはアイン。2002年発売。恋愛心理学シリーズの2作目にあたります。

本ブログ筆者が一番好きなボブゲです。

 

簡単にまとめると

「喫茶店が舞台の総当たりゲー。全員受け攻め両方あり。エロシーンが多彩。価値観がとても好き」

こんな感じでしょうか。最後の一文は筆者の好みですが……詳しくは下の「シナリオ(ちょっとネタバレ)」欄で書きます。

もうひとつ好みだだ漏れの一言を付け加えるなら「とにかく一ノ瀬進哉がかわいい」です。 

 

なお、小説版「カフェ・リンドバーグ」は原作ゲームとは別の話です。

「ぼくらの恋愛心理学」シリーズについては、こちらで説明しています。

 

renachii.hatenablog.com

 

 

以下、シナリオやシステムについて書いていきます。

 

 

シナリオ

舞台は喫茶店「カフェ・リンドバーグ」。マスターの桐野、パティシエの三原、ギャルソンの高見沢とアルバイトの一ノ瀬。そこに新人アルバイトとして篠原が入ってくるところから始まります。

メインキャラクター5人(年齢は20〜43歳)による総当たりゲーム。かなりボリュームがあります。各キャラクター視点があるので、テキスト量がものすごい……。リバはルートによってあったりなかったり。受け攻め比率には差がありますが、5人とも両方あります。

総当たりなので最高で23歳差。それ以外も比較的キャラクターの年齢がばらけているので、年齢差が好きな人におすすめできるかもしれません。

「スクエアな関係」紹介記事でも書いたのですが、「ぼくらの恋愛心理学」シリーズは恋愛模様を描くことに特化しています。恋愛が主軸です。公式HPには「恋を、してください。」というキャッチコピーが。ちなみにこれは作中にある台詞です。

シリーズの他作品と比較すると、前作「birdie」よりもずっと日常系、ほのぼの癒し系のシナリオですが、ひとつだけ鬼畜と言えそうなルートがあります。次作「スクエアな関係」よりはバッドらしいバッドがあるので、完全にほのぼのというわけではない……といった感じ。

それから上で「エロシーンが多彩」と書きましたが、シチュエーションやプレイのバリエーションはかなり豊富な方だと思います。滅多に見ないであろうプレイがあったり。グロは無いです。

 

 

システム面

ガイド機能が最高。

こういったゲームではよくクリア後タイトル画面にエクストラモードが追加され、シーン回想やCG一覧などが解放されますよね。

本作ではそのエクストラモードに入ると、キャラクターが「いらっしゃいませ」と出迎え、案内してくれます。ガイドキャラは自由に変更可能。キャラ変更画面に行くとオーナーがどのスタッフを指名するか尋ねてきます。衣装も(2通りですが)選択可能。

ちなみに一周目クリア前、クリア後(コンプ前)、コンプ後でちょっと対応が変わる箇所があります。全てのボイスを回収したい方は一周終わる前に一度入ってみてください。

私はいつも進哉にしています。「メインメニューに戻る」を選択したときの「帰っちゃう……んですか」からの「やっぱりやめる」選択で微笑するのがめちゃくちゃ可愛いので、毎回一度では帰れません。あと「進哉のCG/シーンを見る」を選んだとき恥ずかしそうにするのがたまらなく好きです。進哉の困った時の反応が可愛くてしかたなくて……。

 

さて、その他の機能について。

2002年発売とかなり古い部類に入りますが、オートやスキップなど、基本的な機能は備わっていると思います。

  • ログがちょっと読み返しにくい
  • キャラクター個別にボイスON/OFFが設定できない(HシーンのみOFFという設定は出来る)

この2点くらいです。ルート数が多いですが、セーブ可能数も多いので問題ありません。

次作「スクエアな関係」では廃止されてしまったのですが、それまで見てきたシーンを選択した所から順番に再生してくれる機能があります。つまり、エンディング直前のデータを作っておけばいつでも好きなルートの好きな所から再生可能です。

 

「スクエアな関係」については既に紹介しているので、そちらをご覧になっていただけると嬉しいです。こちらもおすすめ。

 

renachii.hatenablog.com

 

 

CG・音楽

原画は麻生海さん。本シリーズを全て担当されています。絵に詳しくないのでうまく感想が言えませんが、私好みの絵柄です。

アインの塗りは独特なので慣れない方も多いのではないかと思いますが、私は好きです。(「幻想」スチルの塗りは最高だと思っています。全ボブゲ合わせた中でもトップクラスに好きなスチルです)

音楽は一色由比さん。アインの兄ブランドにあたるブランド・アイルの作品などを担当されています。私は音楽にも全然詳しくないのですが、気に入っています。

アインの作品は何故かインストールすると音楽データがmp3かwavで入っているので、プレイリストを自分で作って作業用BGMに使っています。

 

 

声優

キャスティング天才。

以下、メイン5人のキャストさんです。カッコ内はキャラクターの年齢。(敬称略)

  • 篠原智裕(20):マイケル田中
  • 一ノ瀬進哉(22):緑川光
  • 三原拓実(28):請一郎
  • 高見沢司(32):プログレ
  • 桐野逸樹(43):一条和矢

この他、少年A(年齢不詳)を眞嶋リョウさん、オーナー・渡辺隆之(45)を増谷康紀さんが演じられています。

進哉に関しては後述の「ネタバレ含む感想」欄に書きました。(筆者最推しボブゲキャラなので冷静になれませんでした)

でも他のキャラクターも皆良いんですよ。有名な方々なだけあって演技が上手いです。すごく自然に聞こえる。特に智裕はマイケル田中さんの演じられた数あるキャラクターの中でもトップクラスのはまり役だと思っています。

もうひとつここで書いておきたいのは、モブの声をメインキャラクターの声優さんが分担しているという点。

これがまた面白いです。お客やパティシエを、メインキャラとはまた違った声色で演じられています。(パティシエ達は作中立ち絵はありませんがSS集2003で外見設定が見られます)

 

シナリオ(ちょっとネタバレ)

このゲームの恋愛観というか、性別どうこうよりも好きかどうか、という考え方がとても好きです。例えば作中で智裕が進哉に平然と男性との経験があると話し、

「別に僕、相手がどっちだっていいし。男でも女でも」

「合うか合わないか、好きか嫌いか、そっちの方が重要だよ。性別より」

とあっさり言ってのけます。

今まで同性という発想がなかった進哉が、驚きつつも割とするっと受け止める。

そんな彼が作中唯一同性愛関連の経験が無いメインキャラクターなので、「男同士である」というポイントへの葛藤が少ない。(そもそも進哉は女性経験もほぼないので、恋愛感情というもの自体に戸惑っているところが結構大きいです)

BLに同性同士だからこその葛藤を求める方もいらっしゃるかと思いますが、私はむしろこちらの方が好きです。

「好きな相手」と愛し合うことが大事なのであって、性別や年齢は関係ない。カフェリンはそういった価値観が「ぼくらの恋愛心理学」シリーズの中でも顕著に表れている気がします。

そういう意味で、智裕はキーになる人物なんですよね。好きな相手となら性別は関係ないし、受け攻めもどちらでも良いと言い切れる、人好きで懐っこくて、さばけた遊び人。そんな彼がアルバイトに入ってくるところから、という物語の始まり方も良いなあ、と感じます。

 

 

ネタバレ含む感想

※ちょっとですがSS集やFD等の話もしています。

一ノ瀬進哉が可愛い。もうね、細かい言動まで全てが可愛い。

そもそもこのゲームを買ったのはCV緑川光さんのキャラクターがちょっと変わったプレイをしているエンドがあると知ったから、という実に不純な動機からだったのですが、初見プレイで見事にそのエンドに行き着きました(桐進バッド)。そして性癖との合致ぶりに感動して泣きました。

進哉に緑川さんをキャスティングした方は天才だと思います。可愛すぎる。

ちょっと途切れ途切れな喋り方をする、とろいけど一生懸命なわんこ。BLゲームでの緑川さんにしてはちょっと低めの声です。進哉が攻め寄りのキャラなのもあってでしょうか。低すぎず、高すぎず、静かで、でもどこかあどけない声。BLCD「少年四景」のポチが声のタイプとしては近いでしょうか……? 性格や口調は違いますが……。

ちなみに体験版はありませんが公式サイトでサンプルボイスを聴くことができます。なお、このボイスはゲーム内には無い台詞なので、プレイした方も聴く価値ありです。なんでもいいから進哉のボイスを聞いてください。

前述の通りテキスト量がかなり多いのですが、とにかく進哉の出番を全部見たくてしかたなくて、すぐにコンプしました。最後の隠しルートでも可愛かった……。

好きなカップリングは拓実×進哉と智裕×進哉です。両方同軸リバ。(ちぃ進はゲーム内ではエンディングで言及があるだけでリバに至ってないですが、ドラマCDがその続きで進ちぃになっています)

拓進は本当に……良い……(語彙力の喪失)

最初進哉視点で進めて「進哉かわいい~~~~」とひたすら悶えていました(そして桐進バッドへ)。が、だんだん他視点を見ていくうちに「三原さん……幸せになってほしい……」と思うようになり。いざプレイした拓実×進哉ルートが予想以上にピュアッピュアで完全にやられました。

どうかFDとSS集も合わせて見てください。SS集2005拓進癒しすぎる。

FDのやSS集、雑誌掲載SSの話はまた別の記事でするつもりなので詳しくは語りませんが、ちょっとだけ……

拓進は本編も良いのですが、FD、ドラマCD、SS集でますます好きになりました。FDのシナリオ、あそこでエロに入るの結構意外でした(本編拓実の印象から)が、ドラマCDを聴いてからだとなるほどなあ……と納得。ちょっと不器用だけど真面目で優しい2人の恋愛模様、好きです。他の3人から微笑ましく見守られているのも良い。

ちぃ進についてはもうひたすらに可愛い。これまでの境遇もタイプも全然違う二人が偶然同じ喫茶店でアルバイトしたことで出会い、仲良くなる。可愛い……。

ちぃは本当に遊び人なんですけど、そんなちぃが進哉の言動の数々にだんだん本気で気に入っていく過程が好きです。進哉もちぃも可愛い。SS集2005での「お気に入り」という言い方がまさにぴったりです。

ちなみに、ちぃ進は本編・SS集2003・雑誌掲載SSでそれぞれ違うくっつき方をします。つまり、公式で結ばれ方が3通りあります。(ちぃ進風味程度のものは除いています)雑誌のは進ちぃかもしれない。まあ本編からして同軸リバなので、その辺はどちらでも……。なお拓進は本編と小説版の2通りです。SS集などは本編と同じ世界線だと思います。

※トレカ特典SSなど、私が持っていないSSにまだあったらごめんなさい。少なくとも3通り・2通りある、ということです。

 他のCPもみんな面白かったです。男同士というところへの葛藤は少ないと書きましたが、じゃあ何も悩んでいないのかというとそんなことは全くありません。特に年上3人はそれぞれ色々な気持ちを抱えているところから始まります。個性的でいて無理のないキャラクター造形で、とても好きです。

どれも見てほしいのですが、あえて挙げるなら桐野・智裕ルートです。素敵な恋愛だった……。最初全く注目していなかった組み合わせなだけに印象に残っています。おすすめルートのひとつです。(上の恋愛観でも智裕について書いているし、思っている以上に智裕が好きなのかもしれないと今気づきました)

 

おすすめといえば「最初は誰の視点でプレイするといいのか?」 という問題がありますが……これはもう好みのキャラクターを選ぶのが最善だと思います。視点に選んだキャラの関わるルートに行くようになっているので……。あまり興味のないキャラクターを選んで、途中で飽きてしまったら元も子もないですし、もし途中で誰かからの見え方が気になったらサブ視点で選べます。入りたいルート2人のどちらを選ぶべきか悩んでも、2周目以降はヒント機能でフラグの立つポイントを教えてくれるのでそれに従えば安心です。

 

色々と書きましたが、最後にどうでもいい話を。

ブログを書き始めるにあたりスクエアプレイ時のツイートを見て、「ぼくらの恋愛心理学」3作品をそれぞれ初めてプレイした時、エロCG1枚目がモブ相手じゃなかったのはカフェリンだけだと気づきました。カフェは進哉の自慰CGです。あれ大好き。

 

 

以上、「カフェ・リンドバーグ ぼくらの恋愛心理学2」の紹介でした!

購入動機こそ不純なものでしたが、キャラクターそれぞれに恋愛観があり、その根底にある作品全体の価値観がとても素敵なゲームで、どのルートも楽しめる良い作品でした。

アニメイトゲームス等でDL販売しているので、よかったらプレイしてみてください。

読んでくださってありがとうございました。