【BLゲーム紹介】スクエアな関係 ぼくらの恋愛心理学3
前記事では恋愛心理学シリーズについて簡単に説明しました。
さて、「スクエアな関係 ぼくらの恋愛心理学3」。
2007年発売。ブランドはアインです。
メインキャラクターは4人。元ホスト、スロプー、借金を負った大学生、一見真面目で人当たりの良い大学生。
このバラバラな4人が、訳あって元ホストの小早川の元で同居生活を始めるところからストーリーが始まります。
カップリングは総当たり・総リバなので全12ルート。エンド数は32。
このゲームについて簡単にまとめると
「恋愛がメインの日常系BLゲームがやってみたい人にオススメ。恋愛心理学シリーズで一番クセが弱くさっぱりしている作品。パチスロに詳しくなるかも?」
こんな感じです。
アニメイトゲームス等でダウンロード版が販売されています。Win10対応。
コミカライズ版(本編後日談のような内容。既に付き合っているところから始まります)も電子書籍サイトで購入できます。
以下、シナリオやシステム、CG等についてです。
シナリオ
これが「スクエアな関係」を最初に紹介した大きな理由です。
後述するシステム面の改善も理由のひとつですが、なによりシナリオがとっつきやすい。
個人的な印象ですが、恋愛心理学シリーズの中では本作が一番多くの人が手に取りやすいシナリオではないかな、と思います。
悪く言えばベタ、テンプレともいえる展開で正直先が読めたことも何度かありました。実際初見プレイ時のログを読み返すと不満も書いてあります……。が、何故か後からじわじわハマりました。
読みやすい文章でちゃんとまとまっていて、1ルートも長すぎず手軽なのがいいんでしょうか。「こういうのでいいんだよ、こういうので」的な安心感がありました。
それでいて意外性も失ってはいない。前述したように各キャラクターの視点で見られるという特徴が、前作までほどではないにせよ活かされています。
BLゲームって恋愛以外に何かテーマ、題材があるものが多い印象を受けるのですが、本シリーズは「ぼくらの恋愛心理学」というタイトルの通り、恋愛そのものが主軸です。
本作は「四人四様、恋模様。」という公式HPのキャッチコピーがぴったりで、全く性格の違う4人による恋愛の進展が描かれています。
鬼畜・鬱要素はほぼ無く、シリーズで一番穏やか。(殺伐としているルートもありますが)
ほのぼの日常系BLがやりたい人におすすめです。
(鬼畜・鬱を求める方は第1作「birdie」を、萌えゲー的なもの(?)を求める方は第2作「カフェ・リンドバーグ」が良いと思います。このシリーズ、同じ世界の話ではあるものの作品によってストーリーの重さがだいぶ異なるので……)
上に書いた「パチスロに詳しくなるかも」ですが、スロで生計を立てているキャラクターとホストを辞めて悠々自適な生活をしているキャラクターがいるので、頻繁にパチスロ打ちに行くんです。用語も結構出てきます。
初心者なキャラクターへのかみ砕いた説明の他、ゲーム内ヘルプに「パチスロ用語」欄があります。
ある程度の知識は自然とつくのではないでしょうか。
筆者はパチスロ未経験なので、このゲームが発売された2007年から現在までにどの程度変化したのかが分かりません。詳しい方が見たら古い情報なのかもしれないです。
システム面
スキップ機能、オート機能など、一般的な機能は搭載されているのでプレイに支障は無いと思います。ヒント機能があるため、フラグ管理も楽です。
前作「カフェ・リンドバーグ」からの変更点は
・ボイス個別オン/オフ機能追加
・モブのボイス無し
・エクストラモードのガイド機能無し(これはカフェリンが特殊なだけですが)
・サブ視点選択からCC機能に
・ディスクレス不可
でしょうか。何か忘れていたらごめんなさい……。
CC(キャラクターチェンジ)機能に変更されたことにより、ストーリーを進めながら簡単に別キャラクター視点へ切り替えることが可能に。
前作のサブ視点選択では、ワンシーン見終わった後に誰の視点で見直すかを選択(スキップ可)することでリロードせずに別キャラクター視点を見ることが出来ました。
しかし、サブ視点で見てもメイン視点を見たことにはならない=メイン視点で同シーンを見たとき未読扱いになる、という落とし穴が……。
本作ではこれが解消されたので、フルコンプが楽になりました。
個人的にはモブのボイス無しはちょっと寂しかったです。カフェリンはメインキャラクターを演じている声優さんがモブを担当していて、面白かったので。でもこれに関してはガイド機能と同じく、カフェリンが特殊な例だと思います。他にあったっけ……?
CG・音楽
原画はシリーズ通して麻生海さん。コミカライズ版も担当していらっしゃいます。
絵は好みがあるので一概におすすめと言えないポイントだと思いますが、私はすごく好きです。
塗りはカフェリンから5年経っているだけあって大分変わりましたね。個人的にはあの独特な塗りが好きだったのでスクエア初見時はちょっと違和感がありましたが、すぐに慣れました。
アインの特徴として「エロCGがエロゲっぽい」という点が挙げられると勝手に思っていますが、スクエアでもこれは発揮されていました。攻め視点でほぼ受けしか映っていない構図のCGが何枚かあるんですよ。好みの分かれるところだとは思いますが私は大好物です。(勿論BLっぽい構図のものも多いです)
音楽は特に良いとは思いませんでしたが、全体的に悪くないと思います。好きな曲もありますし。2曲だけなんとかしてほしいですが……。エロシーンのBGMがどうもなあ……。
ちなみに、ディスクをインストールするとフォルダにwav形式でBGMが入っています。OPムービーもmpgでありました。
カフェリンもmp3で入っていたのでアインのファンサービスなのかなあと勝手に思っていますが、実際のところは謎です。昔のエロゲには結構あったりするんでしょうか……?
声優
メイン4人は青島刃さん・平井達矢さん・皇帝さん・空乃太陽さん。
OP曲は小早川役・青島さんが歌っていらっしゃいます。
このシリーズ、声優豪華だなあ……と毎回思うのですが、皇帝さんあたりは当時まだ新人若手扱いだったのでしょうか。なんにせよ、今見るとこのメンバーは結構な有名どころを使っているなあという印象です。
演技については詳しくないのでよく分かりませんが、少なくとも私としては文句なしです。良かった。
最初に公式サイトを見たとき、イメージが先行して西田(CV皇帝)と岸本(CV空乃太陽)のキャストを逆だと思い込んでいたので、詳細を見てちょっと驚いた覚えがあります。
でも実際プレイして納得しました。西田のキレ顔差分。これはCV皇帝だわ。(褒めてます)
なお、キャラクター別オンオフ機能が搭載されているので、もし苦手なキャストがいても特に問題なくプレイできると思います。
ネタバレ含む感想
岸本視点がほんとに面白くて好きです。心の声と建前が違いすぎる……。BLゲームで「こ、こいつ……!」と心の中で叫んだことは他にも何度かありますが、岸本についてはリアルにいそうな性格の悪さだなあと思ったのを覚えています。
西田をめちゃくちゃ見下していたので、1周目は岸本×西田ルートに行きました。笑
好きなルートは蒼井×岸本ルートです。というか、蒼井が良いやつなので彼の絡むルートはどれもすぐ好きになりました。
でもやっぱり一番は岸本とのカップリングかなあ。岸本の一人称使い分け、絶対どっかでツッコミ入ると思っていたら予想通りでしたね……でもそういうの大好きです。
なんだかんだ、まだ子どもっぽいんですよね、岸本。クールに優等生ぶっていますが、大人になりきれていない。割とすぐ絆されてしまう。キレながら告白してくるシーン良かったなあ。
上でちょっとだけ書いたエロCGについてですが、ネタバレになるのでこちらに……
小早川のスチルが一番エロかった!!笑
正直予想外でした。小早川を可愛いと思うとは……
岸本のモブ相手のスチルは眼鏡オンオフ差分があってこだわりを感じました。好きです。
あと自慰シーンもアインなら絶対あるだろ! と期待していたので、蒼井のあのスチルがあって大満足でした。
派手さはないけれど全体的に良くできているな、という印象です。
他2作との合同ファンディスクとか、SS集とか、欲しかったなあ。
まだ全然昔の雑誌を集めきれていないので、残りの未読SSをゆっくり楽しもうと思います。