つきのBLゲーム感想置き場

昔のBLゲームが好きなオタクによる感想・レビュー、初見プレイ時の感想ログなど。

【BLゲーム紹介】sweet pool

ボブゲ紹介、今回は「sweet pool」です。

2008年発売(通常版は2009年)。18禁ですが、CERO:Dのvita版もあります。

ブランドはニトロプラスキラル。「咎狗の血」が特に有名です。最近は「DRAMAtical Murder」の舞台化、新作「スロウ・ダメージ」のキャスト発表など、色々と動きがあったので新しく知った方もいらっしゃるかもしれません。

今更紹介するまでもない有名作では……?とも思いましたが、好きなので書きます。

 

ざっくりおすすめポイントを言うなら

「CoC系グロが大丈夫な人にオススメなちょっぴり(?)憂鬱になれるゲーム。音楽が良い」

こんな感じです。

 

正直、グロが大丈夫なら体験版をやってみてくれ! かなり長いから雰囲気は十分伝わると思う! と言って終わりでもいい気がする(そのくらいボリュームがある体験版が今でも配布されている)のですが、一応システム面等、各項目について書いていきます。

 

 

シナリオ

まずは簡単にストーリー紹介。

病弱な主人公・蓉司はある日己の体から謎の蠢く肉塊が排出されるようになってしまいます。

肉塊の正体、上級生の善弥やクラスメイトの哲雄が急に近づいてきた理由、友人である睦の様子がおかしくなったわけ……。

あらすじから分かるとおり、グロテスク、不気味な描写の多い作品です。

エロよりもグロの印象が強い。プレイ後、「これよくvitaに移植できたな!?」と驚きました。vita版はやっていないので、どの程度ぼかしたのか分かりませんが……。単純にエロシーンを削って成立する話ではないので、相当難しかっただろうと思います。

また、これはBLなんだろうか……?とも感じました。恋でもなく、愛でもない。ネタバレはしないようにしますが、これは結果的に同性愛的な表現になっているだけであり、所謂「ボーイズラブ」と言われて多くの人が想像するだろうものとは別ジャンルな気もしました。

ただ、それこそがこのゲームの特徴、長所であり、私が好きなポイントでもあります。

それに、結果的に10年以上が経った今でもBLゲームとして認知されているので、BLということでいいのでしょう。まあ何にせよ好きなのでジャンルは何でもいいや、というのが個人的な感想です。

 

 

システム面

十分なセーブ数、オート機能、読み返し機能など、基本的な機能は備わっています。

唯一分かりにくいのは選択肢。

このゲーム、「Aをする」「Bをする」のような選択肢はありません。画面上の赤と青、どちらかを選びます。この色が、それぞれ本能と理性を表しているそうです。

本能に従うか、理性で抗うか。

 

 

CG・音楽

まずはイラストについて。オニツカセージさんが担当されています。同ブランドの咎狗の血・lamentoで原画を描いていらっしゃるたたなかなさんとはテイストが違いますが、私はどちらも好きです。

まず、立ち絵のクオリティが高い。棒立ちで表情だけ変わるタイプではありません。ちゃんと動きがついています。それぞれのポーズにもちゃんと各キャラクターらしさが出ているように思いました。

CGも綺麗です。それに見せ方が上手い。グロテスクな表現も個人的にはこのくらいがちょうど良かったです。特に睦バッドのスチルは(立ち絵の表情差分も相まって)印象的でした。

そして音楽。BGMの良さがキラルの特色。そう言われても納得するくらいには良いです。ハズレ曲が無い。

OPのインスト版がお気に入りです。プレイする気はなくても、タイトル画面で流れるこの曲が聴きたくてゲームを開くこともあったくらい。

爽やかで、かつちょっとだけ寂しげなところがあって、とても作品に合っています。

また、各エンドで流れる曲が異なるのですが、これがまたストーリーとマッチしていて……。

コンプしたときは思わず泣きました。

公式PV(OP曲「I'm in blue」使用)へのリンクを貼っておきます。是非見てみてください。

https://m.youtube.com/watch?v=HmqdFWarplM

 

 

声優

ひとことで言うと、豪華です。

主人公に春野風さん、メイン攻略キャラに羽田マン軍曹さん、サブ攻略キャラに空乃太陽さんと緑川光さん。攻略対象外ですが浅野要二さんも出演されています。

個人的には、全員キャラクターに合っていると思いました。CV浅野要二の白衣キャラはあまりにも怪しくて、初登場時から疑ってかかってしまいましたが……笑

メインのお二人に関しては、ちゃんと演技を聞くのは初めてでしたが、プレイ後もっと他の役も聞いてみたいと思うくらいには良かったです。

 

 

ネタバレ含む感想

善弥が好きです……。

このゲーム、実は私の初BLゲームでした。緑川光さんの出演されているBLCDをいろいろ買っていた時にこのゲームを知り、公式HPのボイスサンプルを聞いて「面白いキャラだな」となんとなく興味を持ったのを覚えています。

そして体験版をプレイ→続きが気になってすぐに購入。届いてすぐに徹夜でやりました。

善弥はなんというか、親が悪かったですね……。もしあの肉塊に出会わなかったら、少なくともあんな風には育たなかったんだろうなあ。

無理やり普通の人間の体から変えられてしまったのに、不良品扱い……コンプレックスを持って当然だと思います。

もちろんそんな事は主人公の蓉司は知らないし関係がないので、監禁等については善弥に非があるのですが、彼の背景を考えるとなんとも言い難い感情が……。

バッドエンドでの「剥製にしてあげる」発言は、自分の体が腐っていくのを怖がり苦しんでいる善弥を思うと辛かったです。

好きなシーンは姫谷に眼を舐めさせるシーン。それから意識を失いかけている姫谷にキスしていくところ。

彼は「姫谷は自分の父親に恩があるから、自分のことも大切にしてくれているんだろう」という考えから抜け出せていなかったのだと思います。だからこそ眼球を舐めさせたり、わがままを言ったりして試していた。

最期のシーンで自分のしたことを言えない、訂正できないのも、そういう善弥らしいなと思いました。

だからこそ、姫谷の「善弥」呼びは嬉しかっただろうな、と……。一見救いがない善弥ですが、あれはあれで一種の救済だったのでしょう。

 

割と真面目に語った後に書くか迷いましたが、声優さんの演技についてひとつ。

緑川さん、吐血音上手すぎませんか? それともあれ追加SEなんですかね……? 多分演技だろうと思っていますが、どうなんでしょう……私声優さんの演技に詳しくないので……。

とにかく、あの吐血ボイスが好きです。

 

コンプしたときの率直な感想は、萌えたというよりも単純に「面白かったなあ……」という感じでした。メイン攻略キャラが1人と少ないけれど、十分満足できました。

ちょっと変わったBLゲームをやりたいという方や、BLが好きというわけではないがニトロプラスは好きだ、という方にはオススメできるのではないかな、と思います。

 

以上、sweet poolの紹介&感想でした。